このブログは裏事情とか背景事情を取り上げるようなものではなく,法律問題を理論的に検討するスタンス(のつもり)であるため,表面的に現れた事象の法的形式の検討だけすると,何が何だかわからないことがままあります。
特に会社の経営権を巡る争いの場合,思惑が先にあるために法的には無茶であることがあり,法的構成に苦言を呈しているだけに終わってしまうことが最近目立ちます。
この点を最近痛感することが多く,記事を書くにしてももう少し何とかならないものかと歯がゆいところです。
リーマンショックもあり,買収防衛策が必要な時代は過去になってしまったように思えるのですが,それとは違う力学から,最近,経営権争いが目立ち,どれも極めてきな臭い様相を呈しています。
まだまだ日本の企業社会は,揺れ動いているようですね。同族会社の争いとかもあり,実のところ,あまり成熟していない社会であることが,露呈しつつあるのかもしれません。
しかし一方で日本において,長年の経験により磨き上げられた組織力を有しているのも企業なのであり,何だかよくわからない存在です。司法の世界を見ていると,どうみても,組織力がないというか優秀な個人が離れ小島になっている世界のような印象を受けます。
何でも組織力を発揮すればいいものだとは思いませんが,もうちょっとやりようがあるのではないかと思うことはしばしばなのです。
変な経験をしているなと思う今日この頃です。