東京地裁,NowLoadingの子会社が取締役を解任したところ当該取締役が提起した解任決議の不存在確認訴訟と報酬請求訴訟において,報酬請求のみ認容される


取締役を解任することは,株主総会決議でもって理由なくすることができます。その代わり,正当な理由がないときは,任期満了までの報酬相当分の損害賠償が必要になります。

会社法

第339条(解任)

役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。

2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。

名証セントレックス上場のNowLoadingの子会社が,株主総会決議で取締役を解任したところ,当該取締役から決議不存在確認と報酬請求訴訟を提起されたという訴訟の判決が,東京地裁で1月26日にありました。

東京地裁は,追認決議があるとして取締役の地位を失ったことは認めたものの,任期満了までの報酬請求は認容されると判断したようです。

子会社に対する訴訟の判決に関するお知らせ

よくわからない表現をしてしまったのは,上記リンク先のプレスリリースではよくわからないためです。

同社が主張する追認決議があった後で,訴訟が提起されているので,何だか時系列も変な感じがするのですが,子会社だと頻繁に株主総会を開催することも可能なのかもしれないですから,あながち変でもないかもしれません。

 

株主総会決議取消訴訟は,条件付で同じ内容の決議をすると訴えの利益がなくなりますが,不存在確認訴訟の場合でも,確認の利益がなくなるのでしょうか。その点の判断がされたのでしょうが,上記リリースからはよくわかりません。

 

また認められたのはあくまでも報酬相当分の損害賠償ですので,自分は取締役であるとして請求した報酬請求とは別になりそうです。予備的主張として損害賠償請求もしていたということなのだろうと思います。

決議取消訴訟ではなく,不存在を選択したことからして,かなり事実関係に極端なものがありそうですが,リリースだけではよくわからず,はっきり言えることはあまりなく,不明確な記事になってしまいました。

裁判例情報

東京地裁平成23年1月26日判決

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

 

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。