JAPAN LAW EXPRESS: 新立川航空機、無議決権株式を除外して計算することを失念したために相互保有規制との抵触が生じており、是正措置をとったことで子会社の異動が生じたと公表の関連情報です。
上記リンク先の記事は,新立川航空機に対する子会社が有する株式が,簡単な間違いから実は相互保有規制に抵触しており,議決権がなかったということでした。
そのため,それにもかかわらず子会社が議決権行使をしてしまった新立川航空機の株主総会決議について,株主総会決議取消訴訟が,同社株主であるファンドによって提起されています。
これに対して,新立川航空機は,株主総会決議の取消が確定したことを停止条件として,同じ内容の決議を諮る臨時株主総会を開催しまして,これが可決承認されました。
基本的な会社法の知識ですが,判例により,取り消そうとしている総会決議と同じ内容の決議が,上記のような停止条件付で再可決された場合,特別の事情がない限り,取消訴訟は訴えの利益がなくなるとされています。
よって,株主総会取消訴訟も終結させるための極めて強い一歩になりました。
再可決があっても訴えの利益がなくならない,特別の事情については,どのような事情が該当するのかはよくわかりませんが,上記リンク先のリリースによると,同社は議決権行使結果も開示しており,かなりの多数の賛成を得ていることを公表しています。
議決権行使結果の開示は近時の流れですが,本件では訴えの利益がなくなったということをサポートするものとして機能していそうです。