インサイダー取引規制において情報の二次受領者も規制の対象とするべきとの報道がなされる


昨日,6日の日経朝刊の法務面で,インサイダー取引規制についての記事が載りました。

要するに,増資計画などの直前に株価に動きがあることが東証で相次いでおり,世界の投資家の信用を失わせるというので,インサイダー取引規制の対象を拡大して,情報の二次受領者まで規制の対象にするべきではないかという内容でした。

金融商品取引法の行為規制としてのインサイダー取引規制は,内部者だけではなく,外部者でも情報を特別に入手した情報受領者の株取引も禁止しています。

ただし,これは一次受領者に限られており,二次受領者は入っていません。

第166条(会社関係者の禁止行為)

(略)

3 会社関係者(第一項後段に規定する者を含む。以下この項において同じ。)から当該会社関係者が第一項各号に定めるところにより知つた同項に規定する業務等に関する重要事実の伝達を受けた者(同項各号に掲げる者であつて、当該各号に定めるところにより当該業務等に関する重要事実を知つたものを除く。)又は職務上当該伝達を受けた者が所属する法人の他の役員等であつて、その者の職務に関し当該業務等に関する重要事実を知つたものは、当該業務等に関する重要事実の公表がされた後でなければ、当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等をしてはならない。

 

悪文の見本で何を言っているのかさっぱりわからないような条文ですが,要するに情報の第一次受領者の取引だけを禁止しているというものです。ただし上記の規定をよく読むと単純な一次受領者だけに限定されていないことには注意が必要です。

それはさておき,一次受領者に限定しているのは,伝統的には,色々と間に挟まると情報が不確かになっていくので,規制までしなくてもよいのではないかということです。要するにきりがないではないかということです。

それでもまだソースに近い二次受領者までは入れてもいいではないかということなのでしょうが,なら三次はいいのかとか考えると,そこできることも必然ではないように思えます。議論の契機にというような記事ですが,果たして法改正への結びつくかは微妙な感じがします。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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