大証,分配可能額を超えて剰余金配当をしたタカチホに対して,改善報告書の提出を求める


JAPAN LAW EXPRESS: タカチホ、分配可能額を超えて配当したことについて、原因は分配可能額の計算を誤ったことにあると公表」の続報です。

タカチホはJASDAQ上場ですので,大証が改善報告書の提出をタカチホに求めたことが明らかになりました。

タカチホのリリース

ニュース | Osaka Securities Exchange:大阪証券取引所

 

継続開示のうち,金融商品取引法に規定があるのは有価証券報告書や臨時報告書などですが,これらは違反などの場合に法的な効果が用意されているという点に意味があり,情報源としての意味は限定的です。

情報開示として実質的に意味を持っているのが,取引所の規則に依拠して行われる適時開示です。これらは一定の事由に該当する事象が発生した場合,適時に開示しないといけないということになり,法定の継続開示よりも早いことになり,実質的にはこちらが意味があることになります。

しかし,これに反しても,サンクションは改善報告書の提出くらいであるところが,法定されているものと違う最大の点です。

今回は,タカチホの違法配当がこれに該当するので改善報告書を求めたわけですが,規定上の根拠としては,以下の規定になると思われます。

上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則

第2章 会社情報の適時開示等
( 会社情報の開示)
第2条 上場会社( 有価証券上場規程第2 条第2 項及びJ A S D A Q における有価証券上場規程( 以下「J Q 有価証券上場規程」という。)第3 条第2 項に規定する上場会社をいう。以下同じ。)は,次の各号のいずれかに該当する場合( 第1 号に掲げる事項及び第2 号に掲げる事実にあっては, 本所が定める基準に該当するものその他の投資者の投資判断に及ぼす影響が軽微なものと本所が認めるものを除く。)は,本所が定めるところにより, 直ちにその内容を開示しなければならない。
この場合において, 上場外国会社に対するこの項, 次項, 第4 項及び第8項の規定の適用に当たっては, 当該上場外国会社の本国における法制度等を勘案するものとする。

(略)
(2) 次に掲げる事実が発生した場合

(略)

x a から前w までに掲げる事実のほか, 当該上場会社の運営, 業務若しくは財産又は当該上場有価証券に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの

 

違法配当をしたことというのが具体的に列挙されているわけではありませんので,バスケット条項に該当すると言うことになるのだと思われます。

規制のたてつけとしては,あくまで事象の発生に対してではなく,開示についてのサンクションということになります。

本件の改善報告書徴求の理由について大証はあまり述べていませんが,タカチホは開示体制の不備も本件発生の原因であると考えているとしており,あくまで開示体制に関する問題ということが示されているように思えます。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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