日本航空の機長ら、白紙の乗務スケジュールを渡されたことを退職強要だとして差止め申立て


経営再建中の日本航空は希望退職を募っていますが、応募が目標に到達しておらず、整理解雇の可能性が出ていることはすでにお伝えしました。

そのため、希望退職を積み増そうという動きが経営側から強まっているようで、目標に到達していないとされている機長の職において、白紙の乗務スケジュールが渡された機長が出ており、退職強要が行われているとして問題になっています。

この動きに対して、渡された機長側が、退職強要の差止めを求める仮処分命令の申立てをしたことが明らかになりました。

日航機長ら「退職強要」の差し止め申し立て : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2010年11月4日22時18分  読売新聞)

会社更生手続き中の日本航空の機長や副操縦士ら87人が4日、白紙の乗務スケジュールを渡されて退職を強要されたとして、同社にこうした行為をやめるよう求める仮処分を東京地裁に申し立てた。

申立書によると、日航は申し立てをした87人の10、11月分のスケジュールについて、会社側との面談日と公休日しか割り当てず、乗務から外した。

(略)

機長らは「仕事をさせないことで精神的圧力をかけて退職に追い込もうとしており、人格権の侵害にあたる」と主張している。

自主的に退職させるため、嫌がらせのような行動がとられることは社会的事実としてはよくあることですが、それらの事態に対して、退職強要行為が人格権侵害であるとして、差止めの仮処分が申し立てられることはあります。

しかし、裁判例になっているもののうち、雑誌等に登載されたものでは、かなりひどい態様の行為が行われても、差止めを認めていないものが多くなっています。

これらは、認められない事情があったためにその点に特殊性があることから公表されたのかもしれず、認められにくいということは一般的にいえるのかまではわかりませんが、本件では経営再建中であることから乗務を入れないことに便数の観点等から正当な理由をつけることが出来るかもしれません。

退職強要の差止めについて実際のところどれほど認められるのか等についてたくさん事例を見ることが出来るわけではないので、相場観がいまいちよくわからないのでなんともいえませんが、微妙なものがあるかもしれません。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

One thought on “日本航空の機長ら、白紙の乗務スケジュールを渡されたことを退職強要だとして差止め申立て

  1. リストラ・悪徳商法と闘う  その場で決断を迫られている人へのアドバイス

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