法務省と経済産業省、営業秘密侵害罪の公判手続で企業秘密を公にしないためのルール作りの有識者会合の初会合を開催


3日付の日経朝刊に掲載された記事の内容を取り上げます。

法務省と経済産業省が、営業秘密侵害罪の公判手続で、当の営業秘密が法廷で公になってしまわないようにするルール作りを検討する有識者会合の初会合を開いたことが明らかになりました。

 

憲法の規定から、裁判の対審および判決は公開しないといけません(82条1項)ので、公判および口頭弁論は公開されてしまいます。

よって、企業秘密が問題となっている場合に、その要件を満たしていることを主張立証する中で秘密を開示しないといけないことになり、それが法廷が公開されていることで秘密が漏洩してしまうことになりうるわけです。

そのため、企業が営業秘密侵害罪の告訴を断念するケースが多いとされており、それが今回の取り組みの発端となっています。

しかし、法廷を公開しないわけには行きませんので、秘密の内容が特定される言葉を別の言葉に置き換えるなどの方法を検討するようです。

どうやるのかが全く想像がつきませんが、うまく出来るのでしょうか。

 

また、この検討の対象は営業秘密侵害罪だけになっていますが、民事のほうはいいのでしょうか。

外国企業が、営業秘密を盗まれたと主張して不法行為による損害賠償請求を日本の裁判所に提起したところ、その秘密とやらを開示してくださいといわれて、公開の法廷でそんなことが出来るかと憤慨した話を以前、伺いましたが、今回の検討の成果は企業秘密の開示が法廷に必要な場合全般に適用されていくということはあるのでしょうか。そこまでいかないといささか、カバーする範囲が不十分という感じがします。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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