やはりTOEFLがネックだったのか


平成23年度の東大ロースクール入試の出願が締め切られて、出願者数が公表されました。

平成23(2011)年度 法科大学院入学試験 出願者数について

法学未修者(3年制) 318名(受入予定人員:75名)

法学既修者(2年制) 897名(受入予定人員:165名)

合計 1215名

 

ちなみに昨年は以下のとおりでした。

平成22(2010)年度 法科大学院入学試験 出願者数について

法学未修者(3年制) 288名(受入予定人員:75名)

法学既修者(2年制) 666名(受入予定人員:165名)

合計 954名

 

なんとこのロースクール冬の時代に出願者が大幅増になっています。

合格実績の上位である東大を目指そうという意図なのかもしれませんが、見逃せないのは、英語の証明をTOEFLだけに限ったのを、再度TOEICも認める再変更が今年から実施されているということです。

東大は出願時に英語の能力証明を要求するのですが、ロースクール発足当初はTOEICとTOEFLのどちらも可ということにしていました。

しかし、高橋宏志教授がよく仰っていたのですが、東大はTOEICは英語の能力証明にふさわしくないということを常々いっており、ついに20年度(2008年度)入試から、TOEFLだけにしてしまいました。

そうしたら、出願者が激減してしまい、中里教授はTOEFLのせいではないかと仰っていました。この年は、TOEFLのシステム変更も重なり、受けられない人が続出するという大変なトラブルがあった年なのですが、それ以降のシステムが安定してからの入試でも、東大ロースクールの出願者は回復せず、TOEFL忌避の様相を呈していたのです。

まあ、現在のTOEFLはすごく面倒なので、敬遠するのはわかります。

今年の志願者数の大躍進で、やはりTOEFLのせいだったかということが改めて認識される事態ではないかと思います。

 

しかし、このブログで前にも書きましたが、そもそも論として、ロースクールの入試に英語の能力の証明っているかということが、ロースクール開設前夜には大変な問題になっていたのです。

英語の能力と法律の能力は違うという意見が強くあり、反対も結構強かったそうです。そこで、それほど重視はしないことで落ち着かせたのです。

そのため、実のところ、TOEFLが難しいからといっても、それほど気にしなくてもよいはずのところだったのですが、受験する側はそんなことがわかるはずないので、こんなことになってしまいました。

ちなみに、上記の反対意見は英語は不要と考えているわけではないのです。

法律家の仕事も国際化している今日、英語がいらないわけがありません。実務家にならずに、研究室に残っても外国法の研究が出来ませんので、英語は当然出来ないといけません。

この考えは、東大ロースクールに来るくらいの学生なら、当然、それなりに出来るだろうから、そんなところで差をつけるのはやめて、法律の能力とかを見るべきだという意見だったのです。

本当にそれなりに出来るのか否かについては疑問なしとはしませんが、とにかく、TOEICを加えたとたん、東大ロースクール入試が活況を呈し始めたので、先生方はほっとしているのではないでしょうか。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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