教科書的に法律を勉強していると、「社債」というと商法にある規定がまず先に浮かんできてしまいますが、実際には上場する取引所の規則や様々な規制が存在しており、実務の動きを理解するためにそれらの規制すべてをちゃんと把握するのはなかなか難しいのが現実です。
むしろ、法律で定めているのはあくまで基本であり、実際にはそれ以外の部分で色々と調整や工夫がされていることのほうが多いようです。
さて、国内のCBの発行額は海外で起債される分に比べて低迷が続いており、その梃入れを目的として、東京証券取引所が自主的に取り決めている転換社債の発行条件を緩和することになりました。記事はこちら。
主な内容としては、1000人以上の投資家に売らなければならないとされている投資家数の制限撤廃、額面の上限を100万円から500万円まで引き上げることなどです。
ただ、この緩和によっても、私募で結構行われている転換価格が毎月修正されるような複雑な仕組みの転換社債の上場は認めないとのことです。
個人投資家にはわかりにくいからと理由が説明されていますが、この点については色々思うところが…。