商事法務研究会及び経営法友会が第10回法務部門実態調査結果中間報告というのを公表しまして、会員企業など代表的な日本企業の法務部の現況が明らかになりました。
これは5年ごとに調査されているもので、5年前との比較を中心に興味深い情報が多く明らかになっています。
まず、取り上げたいのが、弁護士は増えているのに企業が採用していないということがよく言われますが、この調査では5年前に比べて、企業内弁護士が2.7倍に増加しており、着実に増加しているとしています。
ただ、その数は、95社182人にとどまっており、絶対数の増加から比べると少ないといわざるを得ない感じがします。
しかし、これを企業は弁護士を必要としていないということで片付けるわけにはいかないように思われます。
というのは、外国弁護士の数のほうがこれよりはるかに多く、428人となっているのです。
なぜ日本弁護士の数がこんなに少ないのかということを考えると、じつのところミスマッチがあるというのが理由の一端にあるのかもしれません。
どう見るかについて評価に悩んでいるデータもありまして、この5年間で50.1%の会社が新たな顧問弁護士の起用をしたと答えていることが掲載されてます。これは、伝統的な顧問先だけに任せるという状況から脱してきて、事案に応じて起用するようになってきているということか、それとも法的紛争が増えてこれまでは起用していなかった会社が弁護士を使うようになったということなのか評価が難しいところです。
しかし、実のところ、この調査は回答率が低くてすべての上場企業などを対象にして調査したのに16.9%しか回答が来ていないのです。
もう少し回答率が高くないと、日本企業の動向として捉えていいものか微妙になってしまうので惜しいところだと思います。