三菱化学、発明報酬制度について、発明者だけではなく貢献した複数部門の従業員を報奨する必要が増してきたとして、特許報奨取扱い規則を一旦廃止して制度の見直しへ


青色発光ダイオード事件などで一時代を画した職務発明の問題で、注目が集まったのが社内の発明報酬制度でした。

もと技術者が会社を訴える訴訟が頻発したことを受けて、技術系の各社では拡充などの対応がとられたわけですが、それらの訴訟が一段落した感のある現在において、発明報酬制度の見直しを打ち出しました。

2010 | ニュースリリース | ニュース・メディア | 三菱化学株式会社

(略)

「特許報奨取扱い規則」は、上記の通り、特許の発明者のみを対象として運用してまいりましたが、本年で制定から約10年が経過し一定の成果は得られたものの、昨今では、発明そのものだけでなく、研究開発部門、製造部門、事業部門等が連携し新たなビジネスモデルを構築すること等により事業収益の拡大を図ることが必要不可欠となってきました。従って、社内の報奨制度に、発明者のみを報奨するだけでなく、事業収益拡大に貢献した複数部門に亘っての従業員を対象として報奨するという内容を取り入れる必要性が増してきております。

(略)

三菱化学は、発明者を対象とするのではなく、事業拡大に貢献した複数部門を対象として報いる必要が出てきたとして、制度を拡充するとして、一旦、現行の特許報奨取扱い規則を廃止して、新しい制度を検討するとしています。

 

いわゆる発明者だけではなく、事業化するのに他に関与した社員にも報いるようにするというものであり、公平な報奨を目指そうとする攻めの姿勢だといえそうです。

しかし理念はよさそうに思えますが、他の部門の貢献をどうやって評価して報奨するのでしょうか。非常に難しい問題になりそうです。

また、これは技術系社員の間での不公平感を打破することが目的なのだと思いますが、すると、下手をするとこれでももれてしまう部門の社員に不公平感を生むことはないでしょうか。すべての社員が不満がないような評価制度を作ることが必要になりそうですが、日本企業においてそういうものを作るのは至難の業です。

うまく機能させることが出来るのか、非常に興味深い挑戦だと思います。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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