縦割りにも利点あり?


以前取り上げたように証券取引法にも課徴金制度が導入されました。
ところが、課徴金の本家である独禁法ではその法的性質を巡り、日本経団連と公取委の間で激しい論争となっています。
そういった中でも、別の法律中に課徴金を導入して平気なのは、むしろ奇異なことだと思います。
普通、問題となってしまっているのは、触れないようにするものなのですが…。
この点について、商事法務1707号に掲載された橋本博之教授の説明によると、現行の独禁法の課徴金制度の枠内であるし、独自の手続きを設けたりしているのでよいのだというように読めます。
しかし、この理屈が成り立つのは、現行の課徴金は合法である場合に限られるので、日本経団連が「そもそも」論で課徴金を批判している現状では根拠が弱い気がします。
実際のところとしては、競争法と証券取引法とで完全に二分されてしまっていることが背景にあるのでしょう。
利害関係者も異なるために、こちらでは無風というわけです。
証券関係の会社には、社会から厳しい目があるということなのでしょうか。
課徴金が、証券取引法ではよしとされ、独禁法では問題となるのは、外から見ると変に思われるでしょう。
どうせなら、名前を変えるとかすればよかったような気もしますが、そうすると今度は一から地ならしをしないといけないので、それも大変でしょう。
先例があるというのは大変な強みですからね。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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