新司法試験、修了年度別累積合格率(東大ロースクールと受験生全体のみ)


新司法試験は、7から8割が受かるというようなことを標榜していましたが、そのようなことに全然なっていないのは周知のとおりです。しかし、岩村先生が仰っていたのですが、東大ロースクール出身者だけでみると、7割8割の合格率は達成されているとのことでした。

そこで、データで具体的に確認してみました。

東大ロースクール

  18年度試験 19年度試験 20年度試験 21年度試験 22年度試験 累積合格者数 累積受験者実数 累積合格率
17年度修了 120 25 5 2 0 152 173 87.9%
18年度修了   153 45 16 1 215 279 77.1%
19年度修了     150 39 9 198 262 75.6%
20年度修了       159 42 201 252 79.8%
21年度修了         149 149 262 56.9%

上記は、21年度試験後に公表された大学別の修了年度別の受験者の数値に先日の22年度試験の結果を足したものです。

累積受験者数というのは、まさに受験者の延べ人数であり、受け控え等があるために初年度の受験者数と同じではありません。上記の累積受験者数は、22年度試験終了時のデータが公表されていないため、21年度試験の段階での累積であり、受け控えがいたでしょうから、特に19年度と20年度修了者のあたりの累積受験者数は22年度試験が終わった現在ではもっと多いと思われます。よって、これらの世代の累積合格率はもっと下がる可能性があります。そもそも東大ロースクールは各学年の定員が300人のはずですので、かなり減っていることは伺えると思われます。

それらをさておくとしても、東大の修了生では、一応は7割から8割は受かるということは言えそうです。

これに対して全受験生でみてみると以下のようになります。

全受験生

全体 18年度試験 19年度試験 20年度試験 21年度試験 22年度試験 累積合格者数 累積受験者実数 累積合格率
17年度修了 1009 396 99 8 6 1518 2122 71.5%
18年度修了   1455 500 168 44 2167 4215 51.4%
19年度修了     1466 461 234 2161 4375 49.4%
20年度修了       1406 557 1963 4012 48.9%
21年度修了         1233 1233 3752 32.9%

これでみると、全体としては5年以内に3回という受験可能な範囲で最終的に合格できるのが現状で5割程度ということができるでしょう。今のままの合格者数で行くと、さらに年々低下していくことになると思われます。

旧司法試験の天文学的な合格率に比べると、比にならないくらい高いじゃないかということになってしまいますが、2年又は3年学費を出して勉強した結果がこれではやはりリスクが大きいという判断をするのが普通の考え方でしょう。

緩やかに苦しい方向に向かっていくこの状況ですが、どうすればよいのでしょうか。

追記

ご要望が多かったので、全ロースクールについての累積合格率の記事を作成しました。

以下のリンクからどうぞ。多すぎると見にくいので分割して掲載しています。

JAPAN LAW EXPRESS: 新司法試験、修了年度別累積合格率【全ロースクール版】1/8(愛知学院~学習院)

 

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)