若い世代にわりを食わせない社会に


8月31日の日経夕刊に、ハーバード・ビジネススクールのモス教授の日本への問題提起が載っていました。

「日本経済の長期低迷の根底には、企業セクターで創造性にあふれる若い人材が適正に配置されてないという問題があるのではないか」

小粒化している現代の若者に日本の混迷を救う力まであるのかはわかりませんが、日本社会が動きが以上に鈍いのには、若い世代にポストの点で割を食わせてしまっていることが作用していると思われます。

これは別に高年齢層を大事にしようということではなく、バブル崩壊後に採用を抑えてしまい、社員の年齢構成ピラミッドが異常にいびつになっているためです。仕事の量が減るなどの効果が生じているかは別なのに頻繁に標準数をいじって、ポストを減らしてしまうので、いくら待っても仕事をすることが出来ないという異常なことが起きている会社もあるのですが、これはまあ会社誕生の経緯のせいで特にひどいいびつな構成をしているからであるとしても、程度の差で日本全体は仕事に関して若者に割を食わせていると思われます。

こうなってもしまうのは、法制度などを勘案して行動を選択した結果としては当然でして、解雇権濫用の法理など一度雇ったら絶対に経営上の理由でやめさせることが出来ないといっても過言ではない労働者保護の法理が結果として日本全体の首を絞めているのかもしれません。

ヨーロッパも同じく労働者保護に厚くやめさせることが出来ないので有名なのですが、ここ最近は、一気に有期雇用などを解禁してひとまず若者に雇用の機会を与えようという方向に変わってきています。ヨーロッパ全体での若い世代の失業率は社会不安になりかねないレベルになっているからです。それでも企業は採用に慎重であるので、いわゆる非正規雇用の形を認めていこうというのが政策になっています。

この時期に、格差をキーワードとするあまり、雇用の流動化に逆行しようとしている日本は本当に世界の趨勢を見ているのかはなはだ疑問です。企業が雇用は維持したうえで正社員として雇って待遇を改善するだろうとでも思っているのでしょうか。政策は内政問題ではなく世界レベルでの競争をしているのが現状ということをしっかり認識して、日本の若い世代がもっと充実した働く機会を得るにはどうすればいいのか、本気で考えてほしいところです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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