ソニーセミコンダクタの工場で業務処理請負で働いていた労働者が、業績不振で契約解除後に、偽装請負だったとして労働契約上の地位確認と賃金を請求した訴訟で裁判上の和解が成立


いわゆる偽装請負だとして直接の労働契約はないものの実際の就労場所の会社に対して労働契約上の地位確認請求等をするタイプの訴訟で、裁判上の和解が成立して終結した事例が出ました。

ソニーセミコンダクタの工場で業務処理請負によって派遣されて就労していた労働者が、業績不振を理由に契約が解除されて職を失った後、従前の就労状態が偽装請負であったとして、同社を訴えた裁判がありまして、このたび和解金の支払いとその他の条項を含む裁判上の和解が成立したことが明らかになりました。

元派遣社員との和解成立 ソニー子会社など3社 – 47NEWS(よんななニュース)

ソニー子会社の半導体メーカー「ソニーセミコンダクタ九州」(SCK、福岡市)の工場で派遣社員として働いていた男性5人が、不当に契約更新を拒否されたとして、地位確認と損害賠償の支払いなどを求めた訴訟は、同社など3社が解決金を支払うことで、20日までに熊本地裁(古市文孝裁判官)で和解が成立した。

(略)

原告側によると、和解条項で判断は示されなかったが、今後について「二重派遣や偽装請負の問題が起きないよう改善を求める」との内容が盛り込まれ、原告側は「勝利的和解だ」としている。

解決金として、請求額計約1780万円の約75%の額が支払われる。

(略)

就労の実際についての詳しい事実が出ていないので、なんともいえませんが、請求額に比べてかなりの割合の額の解決金が支払われていることから、原告の主張に近い事実があったものと思われます。

もっとも、黙示の労働契約が成立していたとまでいえるかは、このブログでもたびたび指摘しているとおり、ハードルが高いために難しいものがあります。

原告たちは労働契約上の地位確認を請求していますが、これは当然する請求であるから入れてあるだけであり、原告一人当たりに直すと請求額があまり高くないところから、はじめから解決金による解決くらいしか期待していなかったのではないかとも考えられます。

最近増えている非正規雇用の紛争の解決例であるということのほかに、解雇の金銭解決の一例として意義のある和解ではないかと思われます。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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