フジスタッフホールディングス、同社への公開買付について普通株式については応募することを推奨する一方、新株予約権については応募を推奨しないことを意見表明


ジャスダック上場の人材サービス会社フジスタッフホールディングスにオランダに本拠を置く世界的な人材サービス会社ランスタッドが日本に設立した完全子会社が公開買付を表明しており、すでに買付期間に入っていますが、それに先立ち、フジスタッフホールディングスは公開買付について意見表明をしました。

この意見表明は、公開買付公告がまだなので金商法27条の10所定の意見表明報告書の提出とは別で、公法的なものではなく自社の株主への開示ということになります。

この意見表明において、同社は買付対象となっている普通株式と新株予約権のうち、普通株式については応募することを推奨、新株予約権については反対を推奨するという一見すると、公開買付に賛成することで一貫していないかのような内容が開示されました。

ランスタッド日本合同会社による当社株券等に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ

この食い違いは、買付価格の違いによるもので、普通株式については評価額よりも上の買付価格が提示されているものの、新株予約権については1円とされているために低すぎるということで対応が分かれたものです。

この1円という価格は、当該新株予約権がインセンティブ報酬としてのストックオプションであるために譲渡制限と行使制限がついているために公開買付者には行使できないとして価値がないとして最低の評価となったものです。

しかし、新株予約権者は行使できる人たちであり当然ながらもっと高い価値を有していることから、安すぎるとして反対することは当然です。

もっとも、公開買付後、買い取れなかった普通株式は、全部取得条項をつけるという例の手法で現金を支払って追い出しを図ることが表明されていますが、新株予約権についてどう扱われるかが開示されていません。

当のストックオプションに取得条項をつけているのかは情報がないのでよくわからないのですが、公開買付が成功した場合、買付者と対象者は合併することが予定されているそうですので、もっとも遅くてもその時点で新株予約権の対価を金銭にしてしまえばよいので結局はそこで1円よりは高い対価を受け取ることができると思われます。

しかし、現時点では買付者と対象者のどちらが存続会社となるかは未定であるとなっています。

 

一見、不可解なように見える意見表明ですが、中々興味深い内容を含んでいる事象だと思います。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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