最高裁、共同訴訟参加の申出を適法とした原判決の後に、同一の請求の趣旨及び原因の別件訴訟で原告適格がないことが確定した場合、共同訴訟参加は不適法になると判示


住民訴訟は判例により類似必要的共同訴訟ですので、当事者適格は原告適格を満たす住民それぞれに存在しますが、訴訟の目的は住民全員に対して合一確定が求められるものです。

よって、住民訴訟の結論が確定する前なら他の住民が提起した訴訟に共同訴訟参加することができるほか、自ら提起することも可能になります。

自ら住民訴訟を提起する一方、同日にすでに提起されていた住民訴訟に共同訴訟参加の申出をしたところ、原判決で共同訴訟参加が適法とされたものの、時系列的にはその後、自ら提訴した別訴の住民訴訟では、監査請求を前置していないことから不適法却下をされてこれが確定したという事案で、共同訴訟参加の申出も別訴の不適法却下の既判力で、不適法になるとした最高裁判決が出ました。

最高裁判所第二小法廷平成22年07月16日判決 平成20(行ヒ)304 不当利得返還等請求,共同訴訟参加事件

あまり考えたことはなかった点ですが、既判力の機能からいくと確かにそのとおりになるように思われます。

このようなことが起きうるのは、共同訴訟参加ができる場合ですので、類似必要的共同訴訟に限られるのではないかと思われます。

共同訴訟参加を固有必要的共同訴訟の共同訴訟人が欠けていた場合の治癒に使えるとしても、固有必要的共同訴訟は当事者適格が共同で帰属する場合ですので、共同訴訟参加の一方で自ら訴訟提起ということができませんのでこのような問題にはならないと考えられます。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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