ビックカメラ元会長の有価証券報告書等の虚偽記載に基づく課徴金納付命令勧告を受けての審判手続きで、違反事実がない旨の決定


JAPAN LAW EXPRESS: ビックカメラの有価証券報告書等の虚偽記載に基づく課徴金納付命令勧告について、ビックカメラは納付の意向を示すも元会長は争う姿勢を示す」の続報です。

なぜか結論が中々でなかった元会長のほうの課徴金を課すか否かを判断する審判ですが、違反事実がないという驚きの結論が出されました。

株式会社ビックカメラ役員が所有する同社株券の売出しに係る目論見書の虚偽記載事件に対する違反事実がない旨の決定について:金融庁

証券取引等監視委員会からの課徴金納付命令勧告に反する結論になることになりました。金商法の課徴金はまだそれほど実例があるわけではないので、勧告通りにならなかったということの重みは、極限的に大きいというわけでもないのかもしれませんが、それでも相当衝撃的です。

 

また、違反事実がないということの理由ですが、以下のように述べています。

被審人が、目論見書の作成に関与した時点で、目論見書に虚偽の記載があることを知っていたと認めることはできない。

要するに、故意がなかったということであり、何だか腰砕けのような感じを受けざるを得ません。

というのは、争点は以下の3点であったためです。

  • ①ビックカメラの第27期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書及び第28期事業年度中間連結会計期間に係る半期報告書を参照書類とした目論見書に虚偽の記載があると認められるか(以下「争点1」という。)。

  • ②被審人は目論見書の作成に関与した時点で、目論見書に虚偽の記載があることを知っていたと認められるか(以下「争点2」という。)。

  • ③被審人は虚偽の記載がある目論見書の作成に関与したと認められるか(以下「争点3」という。)。

本件は②についてしか判断していませんが、これは①について認められることを前提としているのではありません。以下のように述べていることからこれは明らかです。

仮に目論見書に虚偽の記載があり、かつ、被審人が目論見書の作成に関与したとしても、被審人が目論見書の作成に関与した時点で、目論見書に虚偽の記載があることを知っていたとまでは認められない。

そうすると、その他の争点を検討するまでもなく、本件審判事件において、金融商品取引法第178条第1項第2号に該当する事実は認められないこととなる。

なんだか肩透かしを食らったような結論になってしまいました。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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