日本風力開発、外部有識者による調査結果に反して疑義を呈した監査法人を会計監査人から解任、一時会計監査人を選任


東証マザーズ上場の日本風力開発において会計監査人を解任するという珍しい事態が発生していることが明らかになっています。

会計監査人の異動及び一時会計監査人の選任に関するお知らせ

解任というだけでもかなり珍しいですが、さらにこの件で特徴的なのは、会計監査人が会社内部の不祥事のような事象について外部有識者による調査結果で問題がないとされているのに、それに納得せず疑義を呈しているために、会社から解任されたものであるという点です。

詳しい内容は不明なのですが、従業員が取引先との間で作成した文書があるらしく、その文書の効力や与えた影響が問題となったところ、外部有識者は法的効力はないとしたのですが、監査法人は納得しなかったというもので、不当であるとして解任という事態に至った模様です。

当該文書の内容がわからないため、いまいちつかみ所がないのですが、極めて珍しい事態であることだけは事実です。

 

なお、基本的なことについて確認をしておきましょう。

会社法では役員等の選任解任は株主総会の権限ですが、会計監査人については監査役(監査役会)で解任できます。本件も監査役会による解任です。

第340条(監査役等による会計監査人の解任)

監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる

一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。

二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。

三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。

2 前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。

3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。

4 監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。

5 委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。

また一時会計検査人についてですが、役員等で員数を欠いた場合の一時役員の選任は、裁判所に申し立てるものですが、会計監査人についてだけは監査役(監査役会)が、一時会計監査人を選任することができます。

第346条(役員等に欠員を生じた場合の措置)

役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。

2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。

3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。

4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない

5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。

6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。

7 委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

2 thoughts on “日本風力開発、外部有識者による調査結果に反して疑義を呈した監査法人を会計監査人から解任、一時会計監査人を選任

  1. 日本風力開発の一時会計監査人、適正意見を提出

    「JAPAN LAW EXPRESS: 日本風力開発、外部有識者による調査結果に反して疑義を呈した監査法人を会計監査人から解任、一時会計監査人を選任」の続報です。 一時会計検査人は、適正意見を会社に提出したことが明らかになりました。 会社法に基づく監査報告書受領に関するお知らせ…

  2. 日本風力開発の一時会計監査人、適正意見を提出

    「JAPAN LAW EXPRESS: 日本風力開発、外部有識者による調査結果に反して疑義を呈した監査法人を会計監査人から解任、一時会計監査人を選任」の続報です。 一時会計検査人は、適正意見を会社に提出したことが明らかになりました。 会社法に基づく監査報告書受領に関するお知らせ…

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