福岡地裁、内々定取消を不法行為として損害賠償請求を認容


景気が後退した際に、内定や内々定の取り消しが起きて社会問題となりましたが、これらについて取り消された側が不法行為であるとして損害賠償請求をした事案で慰謝料請求を認容した判決が福岡地裁で出ました。

内々定取り消し違法、不動産会社に賠償命令 : 週間ニュース : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2010年6月3日  読売新聞)

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岩木宰裁判長は「被告の対応は労働契約を結ぶ過程での信義則に反し、不法行為にあたる」として、会社に対して男性に85万円、女性に110万円を支払うよう命じた。原告側代理人によると、内々定取り消しを違法と認め、損害賠償を命じた判決は全国初という。

判決によると、女性は2008年5月、男性は同7月に内々定の通知を受けた。しかし、同10月の内定式の2日前、会社は経営悪化を理由に2人の内々定を取り消した。

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労働契約は、判例によって内定から成立していることになります。よって内々定の段階では労働契約は成立していないために、賃金相当の損害を被ったということはできません。しかし内々定から内定には相当程度の蓋然性で移行することが実際であるため、期待権は相当程度存在するといえます。

そこから不法行為を構成して、効果として慰謝料を認めることができる場合を認めた判断といえるでしょう。

裁判例情報

福岡地裁平成22年6月2日判決

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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