久々に読書をしていまして、塩野七生氏の著作をまとめて読んでいます。
まずは、ローマ人の物語と似た装丁の本で内容が気になっていたこちら。
内容は端的に言うと、中世に地中海を荒らしまわった海賊の話です。
現在、あるようでないような国際法の世界で一点だけ世界共通の敵とされており、効力があるのは、海賊は敵であるということなのですが、その礎は地中海の海賊の歴史と不可分であることがよくわかりました。上記作品には国際法における海賊の話はでてきませんのでご注意を。ただし最後の海賊消滅の法的な側面をみると、これが国際法成立への一歩となったであろうことがわかります。
それにしても、ローマ帝国亡き後の世界は教条主義がまかり通り、残虐行為が繰り返されなんと悲惨な世界なのでしょうか。
ローマ帝国最大の敵は、北方から来る蛮族ではなくキリスト教であったことを改めて認識したしだいです。
こちらは、日経に出ていた広告を見て、存在を知って読んでみる気になったものです。
読んでみてわかったのですが、文藝春秋の連載をまとめたものなのですね。
塩野氏のエッセイは、どうしてもふがいない日本や混迷する世界を目にしているせいか、辛口になるのですが、これも変わるところはありません。
もっとも、読んでいて今の日本とのずれを感じました。
というのは、これは連載当初の2003年から2006年のものを集めたものであり、今日の日本はここで苦言を呈されているような状況より、より低レベルで惨めな状況に陥っているからです。
文藝春秋をよんでいないので今の日本に対して何とかかれているのかはわからないのですが、上記著作に収められた論評を書く価値もない低級なことしかしていないのが昨今の日本ですので、単純に「馬鹿ではないのか」とかそういうレベルのことしかいいようながないのではないかと思ったりもします。
さっそく続きも刊行されるようですので、続きが楽しみです。