イギリスの下院選挙の結果は、自民党の躍進があるかと思ったら結局ありませんでした。
この自民党は、日本でも世界史でならうグラッドストンとディズレーリのころの政権の担い手であった二大政党の一方自由党の今の姿です。
ここまで凋落しても存続していることが立派なことですが、選挙の結果としては小選挙区制の特徴が色濃く出てしまいました。
さて、はやくも問題としていわれているのが、労働党は議席を減らしても首相を退かないというものです。
というのは、イギリスでは総選挙後の首班指名がないために、法的には少数与党のまま存続するということがあながち無理ではないためです。
日本ではそのようなことは発生しません。憲法に以下のような規定があるためです。
第70条〔内閣総理大臣の欠缺又は総選挙後の総辞職〕
内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
第67条〔内閣総理大臣の指名、衆議院の優越〕
内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
②衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
選挙に勝とうが負けようが、内閣は必ず総辞職をして、新しい首班指名をしないといけないので、選挙の後にそのまま居座りつつけるということは無理で、少なくとも連立工作が必要になるわけです。
イギリスでも下院による内閣不信任はあるので、そのまま居座って入れは外部から不可侵ということはないのですが、日本と違う点があるのだなと思うしだいです。