経済産業省、敵対的買収の防衛策を検討へ


経済産業省は、日本企業が敵対的買収にさらされた場合の防衛策を検討して、法改正へつなげていくことになりました。
神田教授を座長に据えた「企業価値研究会」なる会を設置、学者・弁護士・企業関係者が参加してこの問題について検討するそうです。記事はこちら

経済産業省は、日本の法制度が敵対的買収の防衛措置を編み出すのに欧米に比べて見劣りするという認識に立っているそうで、その点から今回の動きを起こしたと書かれています。

特に注目しているのはポイズン・ピルの実現の点で、日本法上はできるとされているものの株主平等原則から実現に二の足が踏まれているという現状を踏まえ、どうすればできるのか法改正や解釈の明確化を図るということです。

またもや経済産業省が、他の分野への領空侵犯を意図していることが明らかになりました。背景にはユシロやソトーの事例があるのだと思われます。

ポイズン・ピルは、株主割当ての形にした場合、買収を試みて一定数の株式を所有した新たな株主は行使できないとするため、その点が株主平等原則に反するのではという懸念につながるのでしょう。
もっとも議論されているうえでは、そういうのでも株主平等原則に抵触しないという考え方のほうが優勢だと思います。
株主平等原則をお経のように崇めるから学説はかわりつつありますが、実務的にはまだまだ二の足を踏むのはもっともな行動だと思います。
もっとも二の足を踏んでいるのは、そのことだけが理由ではないとも思われますが…。

せっかくできるようにしたのに活用されないので何とかしなければということなのだと思いますが、確たるものが無い限りやらないというのが実務的な安全策である以上、最終的には判例でも出ない限り、誰もやらないことになります。
誰もやらないと裁判にもならない以上、判例も蓄積されませんね。
そう考えると、株主平等原則を否定する立法でもしない限り手当ての使用が無いのでしょうか。

「日本版ポイズン・ピルが可能になった」という立法担当者の解説が商事法務にありましたが、それでは不十分ということなら、よほど刺激的なことをしない限り、効果はなさそうです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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