東証が認める独立役員の基準が当初より厳格化していたことが判明


東証が求めている独立役員の件の続報です。

独立役員とは詳細な定義はなく以下のように言及されています。

上場制度整備の実行計画2009より

上場会社に対し、一般株主保護のため、一般株
主と利益相反が生じるおそれのないものと上
場会社が判断する「独立役員」が存在すること
を求める。

さて、本日の日経の法務面の記事によると、東証が当初は独立性が不十分でも条件付独立役員として届け出ることができるとしていた過去に当該会社と関係があった候補者について、その後方針を厳格化して、認めない態度をとっていたことが明らかになりました。

そのためもあり、独立役員を未確保または条件付しか確保していない上場企業は15%に上っています。

記事よると2月ごろから、東証の態度が厳しくなり、以下のような過去に関係があった候補者は、独立性があることを客観的に証拠がないと独立役員とは認められないという態度をとるようになったとされています。

  • 親会社・兄弟会社の業務執行者
  • 自社を主要な取引先とする会社の出身者・自社の主要な取引先の出身者
  • 自社から役員報酬以外に多額の金銭その他財産を得ているコンサルタント、会計専門家、法律専門家
  • 最近まで上記に該当したもの
  • 上記の近親者

これらに該当する者については、それらに該当したのが過去のことであり、それからは時間が十分経過しているというだけでは不十分であり、独立性についての客観的な理由が他にも必要であるという趣旨のようです。

東証の言うことも、要件事実のような考え方をするとなんとなく納得できるような気もしないでもないですが、上記の列挙に該当するもので、客観的な独立性を認めうる事由なんてそうそうないでしょうから、これは事実上、それらの該当者を独立役員とすることは無理であるということにつながりましょう。

よって、本当の意味で無関係なまさに「独立」した人を選びなさいということなのでしょう。

付き合いがどうしても狭いですから、見つからなくて四苦八苦ということなのでしょう。企業人の交流範囲は狭いというか偏っているものですからそれらの行動原理を変えるきっかけにしなければいけないのかもしれません。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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