サッポロホールディングスの議決権行使結果開示によってスティールが株主総会決議取消訴訟の提起見送りと報道される


JAPAN LAW EXPRESS: サッポロホールディングス、定時株主総会の議決権行使結果を開示 スティールの株主提案への支持は約3割」の関連情報です。

 

サッポロホールディングスの議決権行使結果開示でかなりの大差がついていたことが判明したために、スティールが検討していた株主総会決議取消訴訟の提起を見送ると報道されました。

サッポロが議決権行使の結果公表、米スティールの訴訟困難に| Reuters(2010年 04月 6日)

(略)

スティールは、株主総会での議決権行使の方法が直前になって変更になったと主張し、この変更が結果を左右するものならば、訴訟を起こす可能性を示していた。ただ、サッポロが公表した結果によると、議決権行使率は約85%で、スティールとの重複候補者4人を除く村上隆男社長など6人の候補者は68%台の支持を得ている。一方、スティールの独自候補者6人は29―33%の支持にとどまっていた。

スティールは、上記報道のとおりとすると、総会決議の手続の法令または定款違反を理由とする株主総会決議取消訴訟を検討していた模様です。

議決権行使の方法がどのように直前に変更されたのか詳しくは分かれないのですが、総会決議の手続に関連する事項であることは肯定できるでしょう。

総会決議の手続の法令・定款違反を理由とする株主総会決議取消の訴えは裁量棄却が用意されており、手続的瑕疵が重大ではなく、結果に影響しない場合には請求を棄却できます。

第831条(株主総会等の決議の取消しの訴え)

次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより取締役、監査役又は清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。

一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。

二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。

三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。

2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる

議決権行使方法の直前の変更が重大かどうかはわかりませんが、仮にそうだとすると裁量棄却されうる場合であることが、議決権行使結果の開示からわかったことになります。

もっともスティールは、自らが選任した弁護士によるチェックを行っており、その結果が出るまで判断は先送りされる模様です。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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