最高裁、JR西日本の日勤教育事件で上告棄却 JR西日本の敗訴確定


JAPAN LAW EXPRESS: 大阪高裁、JR西日本の日勤教育を違法と認定 損害賠償を増額」の続報です。

有名になってしまった日勤教育の件ですが、それらを受けた労働者が債務不履行または不法行為であるとして損害賠償を請求した事件です。労働事件としては、JR西日本(森ノ宮電車区・日勤教育)事件と呼称されている事件です。

労働者側の請求を一部認容していた大阪高裁判決に対して、JR西日本と労働者側の上告をしていましたが、最高裁は、11日、これを棄却しました。三行半である模様で、大阪高裁判決を支持した形になりました。

最高裁は労働事件でこういう決着のさせ方をすることが多いので、今回もそうなった模様です。

大阪高裁判決は、地裁判決に対して違法性を認定した部分が広くなっており損害賠償額を増額しています。そのため、いり厳しい判断がされたように思われますが、実際には日勤教育の必要性や内容については、一審判決よりも強く肯定しています。

問題としているのは、期間の長短とそれに起因する勤務の不安定さ、問題となったのが乗務員であるために日勤教育によって乗務手当が出ないことで被る賃金の減少を指摘しています。

日勤教育がいじめであるなどの労働者の主張はすべて退けており、むしろ当該社員たちにはそれらの教育が必要な事情がある(勤務成績が劣っているなど)ことについては会社の主張を肯定しています。

よって、期間と賃金の点についての考慮はともかくとしても、社員に日勤教育を施すこと自体は肯定された判断であるというのが実際のところであるように思われます。

ちなみに一審原告の労働者たちは、ジェーアール西日本労働組合所属の少数組合員です。

よって、労務管理の背景がある事件でもありますので、一般論として、勤務成績の劣る社員に教育を施す場合の規範としてこの事件を捉えることができるかというと微妙なのではないかと思われます。

判例情報

最決平成22年3月11日

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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