公取委、マイクロソフトの特許係争制限条項をめぐり審判開始決定


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マイクロソフトがソフトウェアライセンス契約中に盛り込んでいる特許係争制限条項が独禁法上の不公正な取引方法に当たるかという問題で、マイクロソフトが公取委の排除勧告に応じなかったことをうけ、公取委は審判開始決定をしました。記事はこちら。公正取引委員会からのプレスリリースはこちら

独禁法の手続きは、一般的な行政手続きと異なっています。
事実上の運用が法律に書かれていないところから始まるためにわかりにくいのですが、整理すると以下です。

まず、公取委が事件を探知するところから始まります。
公取委の人的資源から考えると、せっせと調査に歩き回ることはできないので、探知自体に若干偏りが生じえます。

探知したら調査をして、ひどい独禁法違反だと見たら、勧告を出します。程度が低い時は、警告や注意で済ませます。独禁法事件ではないとみたら、何もしません。
ここまで公取委内部での動きなので、社会からは見えません。よって勧告や警告などが出てはじめて世間は知ることになります。
もっとも公取委が動いているのは結構わかりますが…。

警告や注意は一応それで終わりなのですが、勧告がでた場合は、その後があります。
勧告に応じて違反行為とされた行為をやめるなら、企業側が応諾をして勧告審決が出ます。
単純に表現するなら、罪を認めての司法取引みたいな感じです。

勧告で言われたことに不服があるなら、委員の前で公取委の審査官と企業側とが対立構造をとる審判へと移行します。
今回はこれにあたり、今後マイクロソフト対公取委の争いが始まります。
この後には、審決がでるのですが、その内容はさらに裁判で争うことも可能です。

法律上は、この運用すべてが書かれておらず、以上のうちの一部だけの根拠条文がある感じになっています。そのせいで実務的には非常にわかりにくい世界になってしまっているようです。

昔は公取委に目をつけられただけで従うことが多かったそうですが、マイクロソフトに限らず最近は争う姿勢をとる例が目立ちます。
こういう感じでケースがつみあがっていけばよくわかる分野になりますし、うやむやよりは公明正大になりますので法的正義の点からもいいことなのだと思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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