東京地裁、平成電電の経営破たんで損害を被った出資者による広告掲載の新聞各社に対する損害賠償請求で請求を棄却


JAPAN LAW EXPRESS: 平成電電破産に絡み損失を被った匿名組合出資者が旧経営陣と広告掲載の新聞各社を提訴」の続報です。

平成電電の経営破たんの件で、損害を被った出資者が平成電電の投資を募る広告を掲載した新聞各社に損害賠償請求をした事件で東京地裁は17日、請求を棄却しました。

広告掲載3紙の責任認めず 平成電電事件で東京地裁 – 47NEWS(よんななニュース)(2010年2月17日)

(略)

全国の投資家約430人が同社の広告を掲載した朝日、読売、日本経済の新聞3紙にも責任があるとして、計約26億5千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は17日、請求を棄却した。

孝橋宏裁判長は判決理由で「掲載当時、8~10%の配当をうたった広告の内容が真実でないとの疑いを持つような特別の事情はなく、読者に不測の損害を及ぼす恐れは予見できなかった」と述べた。

一方で「民事上の責任とは別に、広告を約2年にわたり繰り返し掲載したことが被害の拡大につながったのは否定できず、各紙はこの点を重く受け止めるべきだ」とも指摘した。

(略)

広告を掲載した新聞社が責任を負うのかという論点については、いくらかの裁判例の蓄積があり、日本コーポ事件という裁判例が先例的価値を有していると考えられています。

この事件の詳細については、この記事の一番上にリンクをしておいた従前の記事に記載していますのでご覧いただきたいのですが、広告を掲載した新聞社に責任が生じうることは一応肯定してます。

日本コーポ事件の規範部分だけ抜き出しますと、

新聞社等において、広告掲載時に広告内容が広告主に意思、能力等がないため実現できず、そのため広告を信頼して広告商品を取引する読者らに不測の損害を及ぼすおそれがあることを予見しながら又は容易に予見しえたのに、敢えてこれを掲載した等特別の事情のある場合(例えばその広告の掲載により新聞社等が広告の詐欺行為に手をかすことになる場合)には、新聞社等が読者に対して不法行為上の法的責任を負うべきであると解される

としており、かなり極端な場合には、新聞社にも広告を掲載した責任が生じることが肯定されているわけです。

本件も上記の報道によるとこの規範に依拠していることが伺われ、同種の判断が示されたものと思われます。

裁判例情報

東京地裁平成22年2月17日判決

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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