KDDI、金融庁の指摘でJ:COMへの出資比率を3分の1未満にする方向と報道される


JAPAN LAW EXPRESS: KDDIのJ:COMへの資本参加でスキームの金商法上の適法性が問題に」および「JAPAN LAW EXPRESS: 金融庁、KDDIのJ:COMへの出資方法をめぐり調査へ」の続報です。

このスキームについて金融庁からKDDIに、金商法の3分の1ルールに抵触する旨の指摘があったとして、これを受けてKDDIが間接的に議決権を握ることになるJ:COM株の比率を3分の1未満にするように変更する意向であるとの報道がなされました。

KDDI、JCOMへの出資比率3分の1以下に 金融庁指摘で(日本経済新聞2010年2月6日)

KDDIは6日、CATV最大手ジュピターテレコム(JCOM)の発行済み株式37.8%を米リバティグローバルから取得する計画について、比率を3分の1以下に引き下げる調整を進めていると明らかにした。上場企業株の3分の1超取得にもかかわらず、すべての株主を対象とするTOB(株式公開買い付け)を実施しない点を問題視する金融庁の指摘を受けて見直しを検討する。

(略)

もっとも、KDDIは以下のように発表して、現時点では決定していないとしています。

2月6日付け株式会社ジュピターテレコムへの資本参加に関する記事について | 2010年 | KDDI株式会社

2月6日付け読売新聞等において、当社が株式会社ジュピターテレコムへの資本参加にあたり、出資比率を3分の1未満にする方向で最終調整中との記事について、当社は、金融庁に本取引の相談を続けており、現段階で、決まっていることはありません。

金融庁の見解が金商法の解釈として妥当なのかどうかは怪しいと思うのですが、争っても時間がかかるだけなので、早めに対処するのはスピードを要求されるこの分野の実務としては当然のことだと思われます。

さて、関連して、住友商事がJ:COMに公開買付を行うという情報も出てきています。

時事ドットコム:住商、JCOMにTOBへ=主導権確保、KDDIに対抗(2010年2月9日)

住友商事がケーブルテレビ最大手ジュピターテレコム(JCOM)のTOB(株式公開買い付け)実施に向け最終調整に入ったことが9日、分かった。(略)第2位株主の住商は経営の主導権を確保するため、筆頭株主を目指してTOBで持ち株比率を引き上げる。

よく事情を確認しているわけではないのですが、このKDDIのJ:COM出資は、住友商事とLGIの合弁が解消されるために、その受け皿が必要なところにKDDIが名乗り出たというようなことなのかと思っていたので、住友商事が「対抗」をするというのは驚きました。

J:COMの筆頭株主となっている現在の合弁の解消まであまり日数がないので、急ピッチで今後も進みそうなので、金商法の公開買付ルールに関する問題は取り残されてしまいそうな気がします。

関連記事

JAPAN LAW EXPRESS: KDDIのJ:COMへの資本参加でスキームの金商法上の適法性が問題に

JAPAN LAW EXPRESS: 金融庁、KDDIのJ:COMへの出資方法をめぐり調査へ

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)