公開会社法について法務大臣が2月にも法制審議会に諮問する方向であることが明らかになりました。
公開会社法、11年立法化 監査役に従業員、経済界は反発も(日本経済新聞2010年1月5日)
千葉景子法相は4日、上場企業を主な対象に情報開示や会計監査の強化などを促す「公開会社法」(仮称)について、2月にも法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する方針を固めた。
(略)
政府による法制化に向けた具体的な動きとなる。法制審は諮問を受けて、作業部会を設置。有識者や市場関係者、金融庁、経済産業省などがメンバーとして参加する見通しだ。1年程度かけて議論した後、政府は早ければ2011年の通常国会に法案を提出する方針。(略)
具体的な動きが始まったということで注目されますが、そのほかにもこの件が法務省の管轄になるというところにも注目です。
広汎な内容とはいえ会社法分野が中心なので法務省になるのは順当ではありますが、近年の法整備における領空侵犯などを見ていると民主党の行動原理の破天荒さをみていると順当に行くことが必ずしも予期されるわけではないのでこれだけでも一つ注目点であるように思えます。
いくつかの分野にまたがるために、金融庁と厚生労働省との調整が少なくとも必要ですが、報道からは経済産業省も関与することから近時の会社法制と同じ枠組みになる模様です。
内容的には新しい情報が出てきているわけではありません。
従業員代表を監査役にというのは、連合の年来の要望である企業再編の拒否権を組合に与えてほしいというのにつなげるつもりなのかもしれませんが、日本の会社法における監査役会でそんなことができるわけがないので、どうするのでしょうか。
とにかく本格的に議論が始まることになりそうです。
現時点で明らかになっている内容とそれについてのこのブログにおける評価については以下の従前の記事をご覧ください。
JAPAN LAW EXPRESS: 民主党が制定を目指す公開会社法の内容が明らかになる
社外取締役の定義の変更の点と従業員代表を監査役にする点についてやや詳細なコメントをしています。
JAPAN LAW EXPRESS: 民主党の公開会社法素案が報道される
現時点で明らかになっている内容の箇条書きがあります。