政府、独禁法の審判制度廃止へ


かねてから経済界が反対してきた独禁法所定の公取委による審判制度ですが、政府は廃止する方針を固めました。

公取委の審判制度を廃止 政府方針(日本経済新聞2009年11月5日)

政府は企業が公正取引委員会の行政処分に異議を申し立てる「審判制度」を廃止する方針を固めた。公取委が自ら下した処分の是非を審査するのは公平性を欠くと判断した。審判機能は裁判所に移管する。(略)

公平性を欠くということが理由に挙げられており、これはそのとおりですが、特許、租税など分野によっては専門性を理由に司法以外の不服申し立てが許容されていますが、独禁法違反事件はそのような専門性はあまりなく、むしろ司法審査になじむということがいえますので、この区別は妥当なものだと思われます。

なお、廃止だけではなく付随して手続保障が図られる方向での制度改正も検討されているようです。

公取委の審判制度廃止へ政府作業チーム発足(日本経済新聞2009年11月6日)

(略)

公取委が企業へ立ち入り調査などをする際に弁護士の立ち会いを認めたり、調書の写しを求めることもできるよう検討する。

(略)

さて審判を廃止するとなると、いきなり取消訴訟ということになるかと思いますが、審級の利益の観点から地裁からはじめることになると思われます。

これが実現しますと、これまではさじ加減のぶれや事実上の解決などがかなり見られた公取委の行動に変化がもたらされるのではないかと思われます。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

One thought on “政府、独禁法の審判制度廃止へ

  1. 経団連が歓迎しているということは、既得権益を持つ企業に有利な変更なのではないですか?
    公正取引委員会の機能低下につながる危険があると思いますよ。

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