穴吹工務店、社長以外の取締役の解任を目的とする臨時株主総会の招集を決めるも、その後に撤回


マンション分譲の穴吹工務店で代表取締役社長が社長以外の取締役の解任を臨時株主総会に提案しようとしていましたが、その後、この提案を撤回、臨時株主総会も中止することを表明しました。

穴吹工、全役員の解任提案を撤回 ブランドのイメージ悪化も(47NEWS2009年11月2日)

マンション分譲大手の穴吹工務店(高松市)は2日、穴吹英隆社長以外の取締役11人全員の解任提案を撤回、3日の臨時株主総会を中止する、と発表した。

経営方針をめぐる対立から、株主に総会の招集通知を出してわずか1週間。公になった「内紛」の影響拡大を恐れた社長側が矛を収めたのが真相とみられるが、一連のドタバタ劇が、人気の「サーパス」ブランドのイメージ悪化につながり、今後の再建計画に響く可能性も取りざたされている。

(略)

総会前に取締役の半数以上は自ら辞任、執行役員として勤務してきた。

(略)

会社の内部的な政治闘争に終始してしまったわけですが、それにしても不思議なのは、最初の臨時株主総会の召集をどうやって決めたのかということです。

会社法298条1項4項から、取締役会設置会社では株主総会の召集権者は取締役会になります。

第298条(株主総会の招集の決定)

取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 株主総会の日時及び場所

二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項

三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨

四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨

五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項

(略)

4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。

社長以外の取締役は、自分たちの解任を目的とする株主総会の招集を決める決議に対してどう対応したのでしょうか。この点非常に疑問があります。

また、この騒動の中取締役が何人か辞任した模様ですが、社内の対立は一応収拾したとはいえ、辞任はすでにしてしまった以上、簡単には元の地位に戻すことはできません。再度選任をしないといけないように思われますが、その点に関しては何も対処がされないようです。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

 

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)