佐藤食品工業、資産運用で特別損失を出した元取締役に対して任務懈怠に基づく損害賠償請求訴訟を提起することを表明


ジャスダック上場の食品製造・卸の佐藤食品工業がSFCGの民事再生法申請その後廃止で破産手続きへ移行などに起因して巨額の特別損失を出していますが、これについて、会社として辞任した取締役たちに会社法423条の損害賠償請求訴訟を提起することが公表されました。

当社元取締役に対する損害賠償請求訴訟の提起にかかる監査役会決議に関するお知らせ

佐藤食品工業は、余剰資金の運用としてSFCG等のCPを取得していましたが、これがSFCGの破産に至る経緯のため、取立不能になり特別損失となったというものです。

当時の取締役6名に対して、提訴請求が株主からなされており、それに答える形で任務懈怠に基づく会社に対する損害賠償責任を追及する訴訟を提起することになったものです。

第423条(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)

取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この節において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

2 取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。

3 第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。

一 第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役

二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役

三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(委員会設置会社においては、当該取引が委員会設置会社と取締役との間の取引又は委員会設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。)

423条の責任は任務懈怠があったのかということです。

本件においては、SFCGの経営具合とその認識が問題となりそうですが、上記リンク先のリリースによると、そもそも余剰資金の運用の決議自体が合理的ではないと会社では判断している模様です。

これはどういうことかと考えてみると、佐藤食品工業の筆頭株主は現在は日本振興銀行ですがこれは担保権実行によるものであり、以前はSFCGのグループに属していました。この辺の経緯が影響しているものと思われます。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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