男女差別訴訟の兼松事件で最高裁が上告を棄却 差別を認めた控訴審判決が確定


労働法の雇用差別の典型的な問題で、コース別採用が男女差別であると主張された兼松事件で、最高裁が上告を棄却したことが明らかになりました。

男女賃金格差訴訟、兼松の敗訴確定(日本経済新聞2009年10月21日)

男女コース別人事による賃金格差は違法として、兼松の女性社員ら6人が同社に賃金の差額など計約3億8千万円の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は20日、社員側と兼松の双方の上告を棄却する決定をした。4人について賃金差別を認め計7250万円の支払いを命じた二審・東京高裁判決が確定した。

(略)

確認できてはいないのですが、三行半で終わったものと思われます。

労働法では重要な事件で最高裁が原審をそのまま支持して終わることが多いので、特に珍しくはないのですが、ほかの分野なら判決が書かれるような重要な事件です。

この事件はコース別採用が男女差別であるかというもので、野村證券事件という有名な裁判例があります。それによると、男女雇用機会均等法が努力から義務になって以降は、男女のコース別採用は公序に反するものになっており、コースを変われる制度が用意されており、それが合理的な内容であれば適法となります。

野村證券事件もこの兼松事件も、コースを変われる制度は用意されているのですが、やたらと高いハードルが用意されており、実質的には無理というようなものでした。

この点を重視して、違法であるという判断を控訴審はしており、最高裁はこれを是認したことになります。

事例判断に過ぎないために最高裁が一般論としての判示をしませんでしたが、コース別人事管理に関する重要な判例であると思われます。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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