シャルレ監査役会、株主からなされた旧経営陣に対する責任追及の訴えの提訴請求に対して不提訴理由書を送付


下着販売のシャルレがMBOに関連して経営陣に不適切な行為があったためMBOは不成立に終わり、その後、創業家出身の代表取締役が解職されました。

このMBOの失敗の事態について、同社の株主がシャルレに旧経営陣に責任追及の訴えを提訴するように提訴請求をしていましたが、同社監査役会は不提訴を決定して不提訴理由書を送付したことを明らかにしました。

株主からの訴訟提起請求に対する当社監査役会からの不提訴理由通知書の送付について

提訴請求は7月30日だったようですので、9月28日に不提訴理由書を送付したのは期限ぎりぎりということになります。

このブログで取り上げた限りでは、不提訴理由通知書はぎりぎりで送ることが多い模様です。慎重に検討する以上、当然のことだと思われます。

第847条(責任追及等の訴え)
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。以下この条において同じ。)若しくは清算人の責任を追及する訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。
2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。
3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。
4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等若しくは清算人から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。
5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
6 第三項又は前項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。
7 株主が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
8 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。

ちなみにこの株主は、自ら責任追及の訴えを提起する意向のようです。

旧経営陣に賠償請求せず シャルレ(神戸新聞2009年9月28日)

下着販売会社シャルレ(神戸市須磨区)の旧経営陣による自社買収(MBO)が失敗したとして前社長らを相手に賠償訴訟を起こすよう株主の男性が求めていた問題で、同社は28日、旧経営陣への提訴をしないことを決めたと発表した。男性は株主代表訴訟を神戸地裁に起こす方針。

株主で公認会計士の男性(60)=奈良県=は今年7月下旬、シャルレに対して、創業家出身の林勝哉前社長ら5人を相手にMBOのための株式評価経費など約5億円の賠償を求めて提訴することを要求する通知書を送付。これを受けて、同社監査役会は、社外の弁護士も交えて旧経営陣の責任について調査、検討した結果、「責任は認められない」とし、提訴しないとの通知書を28日に男性に送った。

(略)

解職しておきながら、一方で責任追及の訴えはしないというのは一貫性があるのかやや疑問が生じないでもないところです。

利益相反的な行動をしたために、MBOが不成立になり、MBOのための支出分を会社に損害を与えたことについては、任務懈怠の結果、会社に損害を与えたこと(423条1項)に該当するように思われます。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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