本当の敵は誰か


民主党政権の骨格が見えてきています。

左派色が目立つ部分もありますが、非常に興味深いことも多くやろうとしています。

政府と与党の使い分けをやめるとか、党の税調を廃止するとか、政務調査会を廃止するとか、議員立法を制限するとか、これまで当然のものであった与党の仕組みを改めようとしています。

要するに政府に一元化しようということで、色々なプロセスを経るうちに意味のわからないものになりがちであった日本の政策決定を抜本的に改めたいという意図がわかります。すると内閣の責任が非常に重くなり、それにふさわしい能力があるのかが直ちに問題になりますね。

これはなかなか評価できることだと思うのですが、一方でそれほど急がないといけない優先順位の高いものかは疑問です。

景気に余裕がない中で、行動する仕組みを基礎から作り直すようなもので、非常に理念に偏った行動に見受けられます。

従来からの色々な利益関係者が関与する仕組みでも、指導力が異常にあれば何とかできてしまうのは、小泉内閣を見れば一応実例があります。民主党の実力者たちが自分たちであれを再現するのは無理だと自覚してあえてやろうとしているなら、それは結構なのですが、逆に自分たちの基礎を掘り崩すことにもなりかねません。

というのは大半の議員はやることがまったくなくなってしまい、地元の利益団体の要望を何もつなぐことができないことになります。

利益団体を一々反映しているから日本政治はここまで混迷したのですが、政党としての組織力がしっかりしていない民主党でここでこれをしてしまうのは危険ではないかという感じがします。

そこは選挙のプロに何とかしてもらって乗り切るつもりなのでしょうね。

しかし、個人的な予想としては、もっと違う形での破綻があるような気がします。それは、内閣の能力不足で、一見するとすばらしい政策に見えてマスコミ受けもいいのに、実際にやってみると(むしろやる前に)問題が噴出して効果がまるで上がらないということを繰り返してしまう可能性です。

実は現在のイギリスはこれになっています。テレビ受けする議員たちはたくさんいるのですが、朝令暮改が相次いで、混乱を極めている模様で、政権交代がありうる情勢のようです。

民主党はこのイギリスの政治主導を真似ています。これはブレア政権がやった手法なのですが、イギリスが新しく生まれ変わったかはごらんのとおりです。

日本の民主党は、それを知った上で自分たちはうまくやれると思っているのかはわからないのですが、すでに大臣が好き勝手なことをマスコミの前で言い始めているのは危険な兆候だと思います。

政治主導とは政治家主導ではないと誰かが言っていましたが、はじめから正念場になっていますね。

いいこともやろうとしているのは認めますので、どうやったらこれを守り通して実現するかを現実的に考えてほしいところですね。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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