一票の格差の是正を目指して、格差を容認する見解を示した特定の最高裁判事について国民審査で×をつける国民運動がありましたが、結果、名指しされた判事にはほかの判事に比べて100万から200万弱の罷免を可とする評価が多くなりました。
パーセンテージでいうと1%台の違いに過ぎなかったのですが、これは結構違いが出たと評価するべきでしょうか。それとも国民運動はあまり盛り上がらなかったというべきでしょうか。
100万人が影響を受けたというとたいしたことのように思えますが、大半の人は運動の存在すら知らないで終わったのではないかと思います。
そもそも目的の当否に検討の余地がありそうですし、手段もどうなのかという感じがします。
さて、そんなことはともかくとして、私自身は世論喚起も含めてたいした成果も挙げなかったと思うのですが、知識人には自分たちが思っているほど現実には社会に対する影響力はないということがまたも示されてしまった一例なのではないかと思います。
「啓蒙」って語がありますが、啓蒙が実際になされた例なんていまだかつてありえないのではないかと思います。この点はガンダムの「逆襲のシャア」でアムロがいっていたせりふがあたっているのではないかと思うのです。
世直しのこと、知らないんだな。革命はいつもインテリが始めるが、夢みたいな目標を持ってやるからいつも過激なことしかやらない。しかし、革命のあとでは、気高い革命の心だって、官僚主義と大衆に呑込まれていくから、インテリは、それを嫌って世間からも政治からも身を引いて、世捨て人になる。だったら!
全面的に賛成はしかねますが、知的水準の高い人にはある意味の幼稚さが感じられるということはいえることなのかもしれません。