セイクレスト、第三者割当増資後、直ちに割当先が株式を譲渡


不動産業でジャスダック上場のセイクレストで、第三者割当増資後に、長期保有目的を割当先選定基準のひとつと公表していたにもかかわらず、当該割当先が割当後1ヶ月も経たないうちに株式譲渡を次々行っていることが明らかになりました。

第三者割当株式の譲渡に関するお知らせ(7月17日付)

8月6日付

8月10日付

譲渡制限がついているのでなければ、株式の譲渡は自由ですが、第三者割当増資は濫用がありうることから、非常に問題が起きうるものです。

本件では債務超過の解消を目的としており、株価の90%を基本にして発行価格を決めているので有利発行ではないといえそうなのですが、希釈化がかなり激しく、加えて一部がデッドエクイティスワップで債務を株式化するものであることから、既存株主にとっては大変な地位の変動をもたらすものです。

セイクレストは、第三者割当増資に関して、財務的に極めて危機にあるため他に手段がないように説明していたのですが、直ちに譲渡がされたことで長期保有を割当先の選定基準として掲げていたために、ジャスダックからも説明を求められる事態になっている模様です。

本件では株価が極めて下落局面であったため有利発行の問題が生じうることを別とすれば、現行の会社法の問題は正面からは生じてこないように一見は思われますが、色々と引っかかるもののある事案であるように感じます。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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