投資ファンドのエフィッシモ、出資先の日産車体を提訴


今日の日経朝刊に載っていたのですが、なぜかネットには載っていなかったので、引用はなしです。

日本では親子上場がよくあるということが世界と比較して珍しいことで、親会社が支配を続けながらの上場ですので、一般株主は少数株主となって閉じ込められたり、一般株主を犠牲にする傾向があるなどの問題が指摘されてきました。

親子上場については最近問題視される傾向にあり議論がおきつつあるのですが、そのような中で日産の関連会社で車体を作っている日産車体で興味深い事例がおきました。

日産車体は日産自動車が42.57%を保有しているのですが、一方で東証一部にも上場しており、親子上場の事例の一つといえます。現金をたくさん持っている極めて優良な会社です。

この日産車体の日産自動車以外の株主には投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが14.5%を保有する大株主となっています。

この日産車体は、よくあるグループ会社間の資金の一括管理によって資金を低利で別のグループ会社に貸し付けており、これが日産車体の利益を失わせているとして、エフィッシモが日産車体を提訴したことが明らかになりました。

逸失利益が出ているほか法令違反のおそれがあるとして差止を求めていると本紙面では言及されており、多分、360条の取締役の行為の差止めではないかと思われます。

第360条(株主による取締役の行為の差止め)

六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。

3 監査役設置会社又は委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。

親子上場の問題に投資ファンドが反対の動きを起こしたように見えますが、一方でグループ会社間での資金の融通はよくある手法で、グループ会社間で融通することで結果的に自らに仕事がまわってくるようにするということも考えられるので一概に悪いことと判断はできません。今後の動向が注目されます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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