ビックカメラの有価証券報告書等の虚偽記載に基づく課徴金納付命令勧告について、ビックカメラは納付の意向を示すも元会長は争う姿勢を示す


証券取引等監視委員会がビックカメラの有価証券報告書等の虚偽記載及び同社役員が所有する同社株券の売出しに係る目論見書の虚偽記載について、6月26日に課徴金納付命令勧告を出しています。

株式会社ビックカメラに係る有価証券報告書等の虚偽記載及び同社役員が所有する同社株券の売出しに係る目論見書の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

これに対して、金融庁から審判手続き決定通知書がでていますが、ビックカメラは課徴金を納める意向を明らかにしました。

答弁書と課徴金納付について

一方、元会長の方は対照的に争う意向であることが報道で明らかになりました。

ビックカメラ相談役、勧告に不服の答弁書(読売新聞2009年7月16日)

家電販売大手「ビックカメラ」(東京都豊島区)の虚偽決算問題に絡み、証券取引等監視委員会が金融庁に対し、金融商品取引法に基づいて会長だった新井隆二相談役(63)に課徴金約1億2000万円を科すよう勧告したことについて、新井相談役が勧告を不服とする答弁書を金融庁に提出していたことがわかった。2005年4月に同法の課徴金制度が導入されて以来、初となる審判が開かれる見通しとなった。

(略)

これによって課徴金制度が導入されてはじめて、審判が開かれることになりました。

課徴金制度は平成16年の証券取引法改正で導入されました。

条文上は、課徴金を課すことができる開示違反などがあった場合に、すべからく審判手続き開始決定がされます(178条)ので、すべての場合において審判が行われるかのように思えますが、これに対して被審人は答弁書を出すことができ、これですべてを認めた場合には審判は開かれません(183条)。ビックカメラが提出したのはこれに当たります。

これに対して元会長は争ったために審判が開かれることになったわけです。

改正前独禁法の勧告審決や同意審決に良く似ていて、真似ていることがわかる制度設計であることが分かります。そのために審判に当たるのは金融庁の職員です。すると独禁法の場合と同じことが問題になりそうですが、証券取引等監視委員会という外部がきっかけを作っているところなど独禁法と異なります。あまり実例がないのでまだまだ議論になるような段階ではありませんが、いずれ問題になるときもあるかもしれません。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

2 thoughts on “ビックカメラの有価証券報告書等の虚偽記載に基づく課徴金納付命令勧告について、ビックカメラは納付の意向を示すも元会長は争う姿勢を示す

  1. ビックカメラ元会長の有価証券報告書等の虚偽記載に基づく課徴金納付命令勧告を受けての審判手続きで、違反事実がない旨の決定

    「JAPAN LAW EXPRESS: ビックカメラの有価証券報告書等の虚偽記載に基づく課徴金納付命令勧告について、ビックカメラは納付の意向を示すも元会長は争う姿勢を示す」の続報です。 なぜか結論が中々でなかった元会長のほうの課徴金を課すか否かを判断する審判ですが、違反事実がないという驚きの結論が出されました。 株式会社ビックカメラ役員が所有する同社株券の売出しに係る目論見書の虚偽記載事件に対する違反事実がない旨の決定について:金融庁 証券取引等監視委員会からの課徴金納付命令勧告に反する結論にな…

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