楽天申立てのTBS株式の反対株主の株式買取請求で、楽天は3000円超を主張


TBSの認定放送持株会社への移行によって、一定以上の出資の道を閉ざされた楽天が、反対株主の買取請求権を行使しましたが、価格の主張を楽天が中々行わないために膠着状況でしたが、このたび1株あたり3000円超の価格を提示したことが13日の日経法務面で報道されました。

楽天主張の算定方法によると日経の推計で約3900円とされており、TBSは買い取り請求をした日の終値である1294円を主張しており、価格の開きは大きくなっています。

TBSの価格だと楽天は投じた資金の回収さえできませんが、自らが主張する価格だと利益が出ます。

すごいのは楽天の主張する価格の根拠は、認定放送持株会社を創設した改正放送法の成立した日の終値をベースにして、その上で認定持株会社に移行することが「なかりせば」の価格を加味するとしており、楽天とTBSが事業提携できていたら実現できた分まで加味することを主張している模様です。

この株式買取請求は、会社法785条の吸収合併等に反対した場合の反対株主の株式買取請求権であり、完全に会社法の問題です。

ただし、価格決定の申立ては、このブログでいくつか取り上げましたが事例が豊富とは言えず、判断基準が安定しているとは言いがたいのが現状です。どのような基準で算定するのかは非常に難しいものがあります。

先例から行くと、株価が下落局面だったとして、株式買取請求権を行使した日の終値よりも前倒しにして高めにする判断は可能でしょうが、事業提携していた分まで含めるのは無理のような感じがします。そのままの会社の実力を反映したものにとどまるように思われます。

ちなみに、なぜ785条なのかというと、認定持株会社への移行の仕方にポイントがあります。

それはテレビ事業などを組織再編の手法で外へ出して、従来からの法人は持株会社になるという手法を用いるためです。TBSの場合には歴史的経緯からすでに完全子会社を持っていましたので、吸収分割の手法で事業を切り出して移しています。そこで吸収合併等を使っているので、785条による権利行使ができるわけです。

価格の主張を不可解に遅らせた楽天に特に意図があるのかは分かりませんが、価格が決まるのが遅くなってしまうと利息がバカになりません。そこでTBSは一部の仮払いを申し出ている模様です。

これまでの価格決定の申立ての事案は、経営再建関連やMBO関連が多かったので、これらと比べると本件とは若干異質です。どのような判断がされるかが注目されます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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