東京地裁、昭和シェルで人事制度に男女差別があったと認定


昇進等の人事における男女差別は労働法の古くて新しいテーマで、女性差別を認定して賠償を認容する裁判例も出ています。

この論点の議論は、いつから男女差別が違法になるかという起点の問題で、均等法が制定されたこと、その改正と続く立法がいつから公序になったといえるのかがメインテーマとなっています。

改正均等法は、平成9年改正で募集・採用・配置・昇進において差別禁止が努力義務から強行規定になりましたので、これが施行された平成11年以降は男女差別になる制度を存置させると公序に反するというのが、野村證券事件(東京地裁平成14年2月20日判例時報1781号34頁)です。

さて、同じような人事制度における男女差別が争われた事件について東京地裁で判決が出ました。

「違法な男女差別」昭和シェルに慰謝料命令(読売新聞2009年6月29日)

昭和シェル石油(東京)の女性社員ら12人が、「女性であるという理由で賃金差別を受けた」として、同社に、男性社員との差額賃金や慰謝料の支払いなどを求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。

渡辺弘裁判長は「原告らは違法な男女差別を受けた」と述べ、原告全員に対して慰謝料計4945万円を支払うよう命じた。

訴えていたのは、同社の現職社員9人と、定年退職した2人、死亡退職した1人の遺族で、12人は高校・短大卒業後の1966~74年に旧シェル石油に入社。判決によると、同社の人事制度は、99年までは主に年功序列制度(旧制度)を採用し、その後は能力・成果を重視する制度に切り替えた(新制度)。

判決は、旧制度について「男女別の昇格管理が行われ、原告らを含む高卒、短大卒の女性社員は、男性に比べて著しい格差があった」と指摘。新制度についても、「改善されつつあるが、不当な差別は残っている」とし、1人345万~690万円の支払いを命じた。

(略)

上記の報道では、上記論点についての判断の詳細がよく分からないのですが、差別を認定したという点では同種の判断であるということはいえます。

昭和シェルについてはすでに労働者側勝訴に終わった判決が別に確定しているので、それとも整合している判断です。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)