日本興亜損保、経営陣による意図的な保険料支払先送りはなかったとする一方でこれに反する事実も報道される


経営統合を前に、内部紛争が勃発している日本興亜損保の件の続報です。

日本興亜損保の兵頭社長は、経営陣による意図的な保険料支払の先送りはなかったとする一方で、現場での先送りについては調査を継続することを表明しました。

保険金支払い先送り、日本興亜社長が経営の関与否定(日本経済新聞2009年6月19日)

日本興亜損害保険の兵頭誠社長は18日の記者会見で、保険金支払いを意図的に遅らせて収支をかさ上げする違法行為があったとする個人株主の訴えについて「経営が関与した事実はない」と改めて否定した。株主から請求を受けた同社監査役はすでに、「経営陣による意図的な支払い先送りはなかった」として取締役を提訴しないことを決めている。

監査役に訴えたのは同社元役員の株主。日本興亜は4月に社外の弁護士や公認会計士らによる第三者委員会を立ち上げ、調査を進めていた。経営が関与したかどうかを巡る問題とは別に、現場の判断による支払い先送りがなかったかについては調査を継続する方針。

(略)

すでにお伝えしていますが監査役はこれに先立って提訴しないことを表明しており、提訴請求をした元役員でもある株主は自ら責任追及の訴えを提起することを検討しているとされています。ちなみにこの元役員は経営統合に反対している前会長と関係の深い元常務であると報道されています。

なお、上記のような社長の公表にもかかわらず、以下のような報道もなされています。

日本興亜役員、保険金の支払い先送り示唆(日本経済新聞2009年6月17日)

日本興亜損害保険の保険金部門の担当役員が2月の会議で「保険金の支払い見込み額を担当ごとに1億円ずつ減らせば収支目標を達成できる」として、保険金の支払い先送りを示唆するとも受け止められる発言をしていたことが16日わかった。(略)

さて、これらが契約者との関係で問題となりうることは確かですが、会社法的に問題となるかには違法配当をしたとかさらにステップが必要であり、今のところそれらは顕在化していないようです。よって、経営統合を前にしての内部紛争の色彩が強いといえるのではないでしょうか。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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