日本興亜損保監査役、株主からの提訴請求には応じないことを決定


日本興亜損保の株主、保険金の支払を意図的に遅らせて収支をかさ上げをしたとして取締役を提訴するように監査役に提訴請求の続報です。

これに対して日本興亜損保の監査役は提訴しないと決定したこととが公表されました。

日本興亜損害保険、監査役は取締役提訴せず(日本経済新聞2009年6月13日)

日本興亜損害保険は12日、保険金支払いを意図的に遅らせて収支をかさ上げする違法行為があったとの個人株主の訴えについて、監査役が「違法行為の事実は認められない」と判断して取締役を提訴しないことを決めたと発表した。社外の弁護士らによる調査で違法行為が認められなかったという。監査役に訴えた同社元役員の株主は、株主代表訴訟も含めて対応を検討する方針。同社を巡っては、筆頭株主の米投資ファンドが兵頭誠社長の再任に反対する意向を表明するなど、損害保険ジャパンとの統合を前に一部株主との不協和音が目立っている。(12日 20:01)

日本興亜損保のプレスリリース

提訴請求から一ヶ月ほどでの決定ということになりました。

会社法の規定からは、60日以内に監査役が提訴しないと株主が自ら提訴できることになっています(原則)ので、ぎりぎりまで検討する場合も結構あるのですが、今回はスピード決着となりました。

第847条(責任追及等の訴え)

六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。以下この条において同じ。)若しくは清算人の責任を追及する訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。

2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。

3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。

4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等若しくは清算人から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。

5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。

6 第三項又は前項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。

7 株主が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。

8 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。

 

損保ジャパンとの統合を控えているので、偶発の事象に対して早期に決着を図る必要があるからと考えられます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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