アメリカで経営者報酬に株主が賛否の意見を言えるようにする立法が検討される


アメリカでは巨額の経営者報酬が問題になっていますが、これが短期的な利益を追求する土壌を生み金融危機の問題を生んだとして、制限をかける方法として、株主が意見を言えるようにする立法が検討されていることが明らかになりました。

経営者報酬、株主が賛否 米政府、議会と企業統治改革案を協議へ(日本経済新聞2009年6月11日)

【ワシントン=大隅隆】ガイトナー米財務長官は10日、企業経営者の報酬に関し、株主が一定の発言権を持つ枠組みなどを盛り込んだ企業統治(コーポレートガバナンス)の改革案をまとめた。議会と協議し法案の早期成立をめざす。短期的な収益向上を促す報酬体系が経営者のリスクを過剰にとる行動を促し、金融危機につながったと判断。企業統治の観点から制度設計を見直す考え。

(略)

ガイトナー長官はシャピロ米証券取引委員会(SEC)委員長ら金融当局幹部と協議。オバマ政権として法案成立をめざす考えで一致した。協議後に同長官は「報酬上限や細かい規制を設ける意図はない」としつつ「長期的な業績を反映する報酬体系が必要」と指摘。政府が一定の基準を示す考えを示した。 (14:30)

アメリカの会社は日本で言うところの委員会設置会社なので日本で言うところの執行役である経営者の報酬は報酬委員会が決めることになり、株主に関与の余地はありません。

しかし、株主が巨額報酬に怒りを覚えており、報酬に総会の議決を要するに求める株主提案をしたりする例がでています。

それらの動きが個別の株主提案ではなく立法レベルになったといえそうです。

もっともこの立法の内容はあくまで、限定的な内容の投票をするだけで、株主が全面的に決められるものにするのではないようです。そうしてしまうと会社法の設計を大きく変更することになってしまいますので、そこまでするわけではないということでしょう。

投票の結果の拘束力がどこまであるのかなど問題点は多々ありそうです。

上記引用記事では載っていませんが本紙面によると、拘束力はないものの反対が多い場合には報酬額の見直しを迫られるという程度の効力を有する(Say on Pay)ものが検討されているとされています。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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