米企業改革法成立二周年、経営監視に一定の成果


エンロン破綻などを受けてアメリカで成立した企業改革法(正式名称はサーベインズ・オクスレー法といいます)が、このほど成立二周年を迎えました。二年たってのまとめ記事が日経に載ったので、ここでも取り上げようと思います。(リンク先のウェブ版の記事はかなり省略されています)

成立後二年間の成果としては、取締役会がCEO抜きで開催されるようになったり、取締役会の会議の時間が延長してきていることにより、取締役会の経営監視の機能が向上してきていることが指摘されています。

ヘッドハンティング会社コーン・フェリー・インターナショナルの調査によると、87%の企業が取締役会をCEO抜きで開催するようになっているそうです。
また、デロイト・トウシュの調査では、取締役会の会議時間の延長が見られるそうです。

一方では、会社側にとっては、しっかりした体制作りのために様々な新たな義務が課せられたため、その負担が重いという声もあるようです。
記事では、「内部統制の規則」が懸案になっていることが触れられていましたが、詳しい説明がなかったので補足します。

サーベインズ・オクスレー法では、会社に新たな責任が定められており、そのうち、302条において、会社が財務報告にいくつかの内容について保証した宣誓書をつけることが求められています。
その中の一つに、署名した役員が内部統制(internal controls)の確立と維持に責任を有することと挙げられており、有効な会社の内部統制を作ることが課せられています。
この内部統制は外部のチェックを受けなくてはいけないため、かかるコストが莫大であるということで負担が重いという感想になっているのだと思われます。

あまりに厳しくなりすぎて、上場をしない傾向が出てくるなど、やりすぎだという見方もあるようです。
本来からいえば、取締役会や監査委員界など既存の会社の機関がしっかり機能していれば問題は起きないはずなので、新しい仕組みが次々作られて負担ばかり増すのには納得いかないということなのでしょうが、安きに流れるのは人間社会の常ですので、規制強化は仕方がないのかもしれません。
もっとも、あまりにも規制が多く、事業をすること自体をためらうようになってしまっては、本末転倒ですが。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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