設例が現実になる


2008年の新司法試験の憲法の問題は、フィルタリングソフト法というネット上の有害情報を遮断するソフトを一律にインストールする政策をとった場合の憲法上の問題点を問うものでした。

設例にするだけあって色々な問題点が想起される極端なものを出しているわけですが、これと似たようなものが現実に行われることが明らかになりました。

もっとも日本ではありませんが。

中国、パソコンの検閲ソフト義務付け発表 有害サイト接続を遮断(日本経済新聞2009年6月9日)

【北京=尾崎実】中国工業情報化省は9日、7月から中国国内で販売するパソコン全製品に、有害サイトへの接続を遮断できるソフトの取り付けを義務付けると発表した。同省は義務付けの目的を「青少年の健全な育成」としているが、10月に建国60周年を控え、情報統制を強める狙いもあるとみられる。

同省は外資を含めた一部のパソコンメーカーに対し、検閲ソフト取り付けを義務化する方針を通知していたが、公表したのは初めて。

中国外務省の秦剛副報道局長は同日の記者会見で「わいせつ情報や暴力的な情報の遮断が目的」と説明。「中国のネット環境は開放されているが、民衆に有害な情報が流れるのを避けるため、法に従いネットを管理する必要もある」と強調した。 (21:04)

試験問題と同じなのは、青少年の健全な育成が目的となっているところなのですが、異なる点としては、その目的は一部もしくは飾りに過ぎず、疑わしき動機がかなり濃厚であることがすでに伺われる点です。

すごいものです。現実に起きるとはね。

ちなみに、中国は日本法をかなり熱心に研究しています。それも行政法についてばかりで、民間企業にどのように指導を及ぼすかについての特殊会社の立法など行政に権限を残しておくいかにもなやり方を特に好んでいます。

そんな点でお手本とされるようでは情けないので、公権力が私人に介入するようなことは早晩やめた方がいいですね。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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