東京地裁、過労でうつ病にり患したのを労災と認定


過重な仕事が原因でうつ病になったために労災の申請をしたところ、不支給の処分を受けた東芝の元社員が処分の取り消しを求めていた裁判で、東京地裁は労災を認定、処分を取消しました。

東芝元社員「負担重なりうつ病に」…東京地裁が労災認める(読売新聞2009年5月19日)

過重な仕事が原因でうつ病になったのに労災と認めないのは違法として、東芝元社員の重光由美さん(43)(埼玉県深谷市)が、国に不認定処分の取り消しを求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であった。

渡辺弘裁判長は「原告は、仕事のトラブルで精神的に追いつめられ、長時間労働を余儀なくされるなどの負担が重なってうつ病を発症した」と述べ、不認定を取り消した。

(略)

労災は確定した概念ではなく、時代に応じてどんどん改められていくようなものです。

かつては中々、労災とは認定されませんでしたが、近時は厚生労働省の通達である指針を逸脱している事象でも認定されるようになってきています。

うつ病を労災に認定する例はありますが、一応適法とされる業務に従事してうつ病にり患したのを労災とするのは珍しいために、報道で注目されているのだと思われます。

ちなみに当該社員は、病気休職期間満了後に治癒しなかったとされたのか解雇されており、別訴で解雇無効を争っているそうです。

ちなみに第一審では解雇が無効と判断されており、東芝が控訴しているそうです。

これは、病気休職後の解雇の有効性という論点で、従前と同じ仕事は出来ないまでも配慮義務があるという判断をした裁判例がいくつかあります。別訴でも解雇無効とされていることから、それらと同様の判断がされたのではないかと思われます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。