アメリカで集団的労使関係を根本的に改める法案が議会に提出される


オバマ大統領のChangeは実は非常に多様なものを含んでおり、言葉だけが一人歩きして有名になっていますが、それぞれは極めて根本的な変化を迫るものです。

そのうちの一つが、労働法の抜本的な改革でして、10日に議会にFECA(従業員事由選択法案)という法案が提出されました。

アメリカでは排他的交渉代表制というのをとっており、51%の支持を得た組合だけが全従業員を代表して使用者と交渉するという制度です。

この支持は投票で決めるのですが、これを署名にかえるという内容のようです。少数組合に有利になることを考えての改革だと思われます。

短絡的に考えると、民主党が労働組合よりであることから労組に力を与えるように政策を実現しようとしているだけに思え、事実それもあるでしょうが、それ以上の内容もこめていると思われます。

それは個別的労使関係重視のためにすっかり使用者側が強くなってしまった労使関係で、個人を助ける集団を再生しようという理念でその受け皿としての労組の活性化という考えです。

個人では使用者に対抗できないというのは現実を見ればその通りですので、集団を何とかかませようという発想は合理的だと思います。その考え方は労働契約法を制定して、個別的労使関係重視という道を歩んでいる日本にとっても例外ではないと思います。

しかし、その受け皿に労働組合がなりえるかというと、アメリカでもそうでしょうし、日本でもまた否ではないかと思われます。

アメリカは現在、労働組合に大変な規制をしています。排他的交渉代表制などもその一つなのですが、それは労組がとてつもなく腐敗して堕落したためです。横領などは言うに及ばず、マフィアと関係がある有様でした。そこで規制することになったのです。

日本は憲法に根拠があることもあり、規制まではしておらず、自由な活動を保護していますが、ごらんのような体たらくです。

厳しい世界から隔離されて、法的に保護されてしまう結社というのは腐敗しがちなわけです。よって今回もまた、労働組合は期待にこたえられないのではないかと思うのですがどうでしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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