怒りはごもっともだが


アメリカでAIGが公的資金を受けているのに巨額のボーナスを出したことが問題となって、そのボーナスに90%の税金を課する法律が成立したそうです。

恐るべきスピードです。

怒りの理由はもっともですが、法的に考えるとどうでしょうか。

日本法で考えると、租税法律主義ですので法律で定められている以上、その点はクリアしていますが、狙い撃ちですからどうみてもその内容が平等原則に反しますよね。租税ではその特殊性ゆえに法の一般原則は後退を余儀なくされるのが日本法の考え方ですが、それに照らしても一企業のボーナスだけ90%課税したら日本でも問題ありとなるのではないでしょうか。

転じてアメリカではもっと簡単に立法を違憲にしてしまいます。狙い撃ちの課税にはたいそう厳しいので、この立法も連邦最高裁まで頑張れば違憲判決を勝ち取ることも可能かもしれません。

そこまで争ったら、世論の批判は相当なものでしょうが。

観点を転じて、労働法的に考えてみると、ことが騒ぎになった時点ですでにボーナスは具体的権利として発生していたようですので、支払わないわけには行きません。AIGの経営者が「法に従ったのだ」と抗弁していたのはこの辺をさしているのでしょう。

それにしてもものすごい話です。さすがに見識を疑う感じがしますね。


About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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